設計事務所やゼネコンじゃなくても合格できた一級建築士のブログ

奇跡的に取得できた一級建築士の資格について、合格までの軌跡を記録し、自分と同じ境遇の方に参考にしてもらえたらと思いはじめました。

一級建築士を取るまで(製図2回目当日)

2018年のサプライズ

問題用紙が配られはじめてすぐ、会場内に動揺が走ったのを感じました。
(問題用紙がA2になってる…!)

周りを見渡したとき、多くの人がより緊張を強くしたように見えました。

一方私はというと、笑いが止まりませんでした。


毎年何かしらかのサプライズを盛り込んでくるこの製図試験。

前年は下書き用紙に配置図が食い込む、巨大車回しという謎の要求を受けるなど、頭が真っ白になりエスキスが上手くまとまりませんでした。


今年はその反省を踏まえ、自分なりにこんなサプライズがあるのでは、と心の準備をしてきました。

・プールの階指定
・巨大吹き抜けの要求
・基礎指定(べた基礎以外)

ですが、まさか問題用紙が倍の大きさになって出てくるとは!
試験時間は変わらないのに、正気の沙汰とは思えない!

おかげで開始10分はニヤニヤしながら課題文と向かい合っていたと思います。
(にらめっこなら確実に負けてます)


でも、冷静になって見てみれば、A2になった部分は、

・配置図が大きくなったこと
・地盤に関する情報が増えたこと

程度だと気づき、気にすることは無いと開き直れました。


製図試験は相対評価です。

周りの受験生が動揺しているなら、ミスを少なくとにかく描き切ることが合格につなかるはず。

そんな予感が試験開始早々に頭をよぎりました。

試験中の自分より試験前の自分を信じる

自分の予感を信じて、とにかく事前に決めていたタイムスケジュール通り、

エスキス2時間
記述1時間
作図3時間
見直し0.5時間

を意識して作業を進めます。


エスキス途中にはこんな波乱もありました。

・面積オーバーに気付き建物の外形を不整形に修正。

・3階にトイレがないと気づきギリ空きスペースと呼べる箇所にトイレを継ぎ足し。

・南1箇所だった出入口。複数箇所あった方がいいと判断し、急遽西にメイン、東にサブエントランスを追加。

空調機械室が無いことに気付き、風除室を削り無理やり作図。

・栄養ドリンクの作用かトイレに4回行きたくなる。

・そもそも丸特をどう判断するかに迷う。

・屋外の避難経路の描き方がわからない。


単なる抜けで、書くことで対処できる点は修正しました。

しかし、悩んだ部分については現時点で確実な正解が自分の中に無い事が明白なので、直感を信じ考え込まないようにしました。

そうすることで、少しでも作図や記述の時間を取り、提出する回答の精度を高める事に集中しました。


試験中は頭をフル回転させているので、色々なことが気になります。

でも気になったことの正解を探してしまうと、そこで時間を浪費するハメに。

そのため、私は気になったことは極力無視していました。


みなさんも実感できると思いますが、答えが覚えている事柄って大概パッとわかるんです。

気になる、悩む時点で試験中としてはアウトだと思っています。

だから、わかる事、自分がコントロールできる事に集中するようにしました。


試験後振り返って

昨年同様、あっという間の6時間半でした。

それでも2回目はやり切った感がありました。


帰りの電車に揺られながら、振り返って気付いたミスはこれ。

・1階吹抜け部分の防火区画してない。

空調機械室が小さい。

温水プール室用の空調機械室が明記できていない。

・機械室扉、防火設備にしていない。

・吹抜け上部のトップライト描いてない(記述と不整合)

・建物が不整形。

・東西出入口用の庇描き忘れ。

・ゴミ置き場描き忘れ。


そして自分にまだ足りていないと思う能力はこれ。

・防火区画、防火設備への理解不足

・整形でつくる意志

・作図表現能力


振り返り終わったときには、正直今年もダメかな、と思いました。

それでも2か月後、合格発表の日に自分の名前がありました。

奥さんが泣きそうになりながら喜んでくれたのを覚えています。

泣かなかったけど。

なぜ自分が合格できたと思うか

2018年度の合否の特徴は、ランクⅣが25.9%だったことでしょう。

例年10%前後が平均値であることを考慮すると非常に高い比率だったようです。

それだけ一発アウトな回答をした受験生が多い年度だったのだと思います。

(私の知り合いにも建蔽率で引っかかった初年度生がいました。)


そう考えると、私が合格できた理由は、本来ランクⅠ・Ⅱを争う人たちがランクⅣになったからではないか、と思うのです。

学校の課題ではランクⅠだった実力者でも、当日のミス次第で落ちるんです。

そして試験前まで実力的に劣っていたとしても、当日の出来次第で合格できる可能性は十分にあるんです。

これが私程度でも合格できた理由ではないかと。。。



誰でも試験が近づくにつれて不安が大きくなると思いますが、最後の最後まであきらめず、自分がコントロールできることに集中しましょう。

以上駄文ですが、誰かの参考になれば幸いです。