設計事務所やゼネコンじゃなくても合格できた一級建築士のブログ

奇跡的に取得できた一級建築士の資格について、合格までの軌跡を記録し、自分と同じ境遇の方に参考にしてもらえたらと思いはじめました。

一級建築士という資格を取るまで(学科6回目編)

学科5回目を終えた反省

前年の努力の仕方ではまだ点数が足りなかったので、何が悪かったか整理した。


・過去問で点を取れる項目、取れない項目を理解せず全体を平等に勉強していた。
(これは自分は全然できていないから、という自己否定が影響していたと思う)

・法規、構造で出題される計算問題の勉強に無駄な時間をかけていた。

・法規の問題を、法令集の線引きが出来てれば余裕、と勘違いしていた。


これらの悪い点を含めて、今回の努力では方針を①〜③まで決めた。
それがこちら。

①目標点の設定

 ・計画13点(65%)
 ・環境14点(75%)
 ・法規27点(90%)
 ・構造24点(80%)
 ・施工18点(72%)
ーーーーーーーーーーー
  合計96点

パーセンテージにも出ている通りに、努力量を配分する。

②目標点を理由とこれからの勉強方法

1.計画

足切りにならない点数をとることが目標
⇒理由は作品名問題の範囲が広く、対象を絞り込めないから
・作品名問題は当たればラッキーと考える
⇒過去出題された作品だけは暗記する
・それ以外の問題を取りこぼさない

2.環境設備

・ここは極端に新しい問題が出ないイメージ
・ただし微妙にやりづらい計算問題も多い
⇒意外と点が稼げない印象
・過去問を解いてミスの多い箇所を重点的に勉強

3.法規

・前回しなかった「法令集を使って問題を解く作業」に慣れる
・過去問を解く際は選択肢全ての○×を時間内で判別するようにする。
⇒実際の試験で余裕が生まれるようにする訓練

4.構造

・計算問題以外をねばり強く過去問を解く。
・計算問題は解かないと忘れるので、解かない。
・試験日1週間前から重点的に計算問題に取り組み短期決戦。

5.施工

・新築現場を見る機会が全くなかったので、文章とイメージを一致させる事からスタート。
・意外と点が取りにくいため、点数が取れないことも覚悟。

③勉強方法の工夫

勉強に費やす時間は前回同様。
ただし、座れる環境の時は法規(法令集使用)および模試、通勤時間などはその他科目の勉強、とその環境でなければできないことを優先してやるようにした。

新たなる武器

そして勉強を進めるにあたり、新たに武器をプラスした。
それが「合格物語」をタブレットで使う方法。

合格物語とは、独学取得を目指す人なら知っている人も多いと思うが、PC上で過去問を効率的に学べるソフトである。
このソフトで問題を解いていくうちに、自分の間違えやすい問いが絞れてくる優れた勉強ツール。

前回まではこれをipadを使いリモートアプリで家のPCに接続して使用していた。
しかしこれでは通信に時間がかかりサクサク進めないし、通信が途切れる事が多くてソフトの能力を活かしきれていなかった。

どうにか持ち歩くことはできないかと考えていたところ、偶然どなたかのブログでWindowsタブレットで合格物語が使えた、という記事を発見。
早速Windowsタブレットを購入し、インストール………できた。
こいつ、動くぞ。

おかげで過去問への取り組みが大幅にスピードアップし、各科目何周かこなしていくうちに自分の間違え易い問題を発見できた。

6回目の挑戦

そして挑んだ学科6回目。
結論から言うと、合格ラインが90点なのに対して、自分の得点は89点。

あと1点足らず。

見直した時に焦って番号を変えた問題が間違えていたりした。
あの時見直しなんてしなければ…という後悔がループしたが、後の祭り。
資格学校の予想点では、もしかしたら点数に修正が入るのでは、なんて話もあったが、学科合格発表で修正はなかった。

周りから、資格学校のボーダーラインにかかっているなら製図勉強しに行ったほうがいい、と勧められたものの、その意味を理解できず、スルーしてしまった。
(これも翌年学科合格してから後悔。理由は別の記事にまとめます)

落ち込みながらも、次年度に向けてどうするか考えていて、諦めるという選択肢はなかった。

一級建築士という資格を取るまで(学科1〜5回目編)

私の学科受験は計7回

うち4回は受験資格があり会社から受けろと言われたか流されて。
資格学校にもいかず勉強もそんなにしていない、ただ受けるだけの受験だった。

本気になって努力を始めたのは5回目。
キッカケは子どもが生まれてから。

ダラダラ受けてても受かる力が自分に無いことはわかった。
子どもが生まれて、夫婦の時間も自分の時間も減ると考えると、勉強している時間も無くなっていく。
はよ合格せねば。。。

勉強に向けた優先度の確認

そこから改めて考え直したのは、どうやって勉強時間を確保するか?
そして確保した時間でどう勉強するか?であった。

今までは、休日にまとまった時間が取れるときに過去問を中心とした勉強であった。
平日は仕事の疲れで勉強する気がなかった。
一週間もブランクがあったら、エビングハウス忘却曲線のとおり覚えたことも忘れてしまう。
だから毎日勉強をできる環境づくりが第一であった。


環境づくりのための前提条件はこんな感じ。

・1番大事なのは家族との時間。
⇒少なくとも子どもが起きている間は勉強しない。
・共働きなので家事育児も可能な限り折半。
⇒家に帰ったら皿洗い、風呂洗い、洗濯、こどもを風呂に入れる。休日は掃除、こどもと遊ぶ、も追加。
⇒でも1年間は育休で奥さん負担多めOK。
・今の会社の資格手当は微々たるものなので、学科から学校に通うというコスパの悪い事はできない。


この条件から、まず残された時間は、

・(平日休日問わず)早起きした朝の時間
・通勤、帰宅などの移動時間
・昼休み

などのスキマ時間だと理解した。


まとまった時間を勉強に充てないことに疑問を感じる方もいるかもしれない。
でも私の中での一級建築士は、どうしても取りたい資格だけど、人生の楽しみより優先するものではなかった。
だから可能な限り最小限の努力で合格したい、と考えていた。

勉強の仕方

この時点での手持ちの武器はこれ。
・過去問
・合格物語(自宅PCで使用)
・中古総合資格テキスト(PDF化、スマホ取込済)
・受験年度の法令集(線引き済)
・法規のウラ指導(法令集の線引き用)


5回目はこれらを駆使して、
・合格物語(家ではPC、外ではipadのリモートアプリを利用)
・過去問を1周
・わからない点をテキストで知識補完
法令集一通り線引き
(4回目までは線引きも適当だった)
と可能な限り勉強した、つもりでいた。

戦略ミス

あとから思えば、よくこれで頑張ったと言えよう、と恥じる限り。
過去問やテキストを1周したところでどこをよく間違えるか、何を理解していないかを把握せずに点数を取ることはできない。
法令集に線を引いたって、必要な情報をすぐ引き出せなければ宝の持ち腐れ。
全体で取る点数の計画もできていない。

結果、この年は合計87点だった。
(各項目の点数が残っていませんでした。この年の合格点は92点)
一般的に90点前後が合格点だと考えると、惨敗といっていい結果。


ただ、結果から見えてきたこともある。

・法規、構造の合計点数に10点は伸びしろが残っていた。
⇒取れていれば合格ライン突破してる?!
・計画の建物名称記憶は新出問題次第の部分があり運ゲー
⇒そこへの注力は止めて過去問に集中でして足切りだけ避ければOK。


ここから、新たに努力の方法を見直すことになる。

一級建築士という資格を取るまで(金額編)

2018/12/20、一級建築士という資格に合格した。
合格発表の欄に載っていた番号と名前は自分のものだったが、記載ミスだったら恥ずかしいと思って、周囲には告げられず。

2018/12/21、合格通知が家に届き、これでようやく信じることができた。


学科初受験から数えること8回目での合格。
合格までに要した金額は約83万円(プラスこれから登録に約8万円)。
雑費分を丸めて計算した金額内訳は以下の通り。

・受験料約2万円×8回=16万円
・学科対策「合格物語」約6.5万円+約5.5万円=12万円
・製図対策1年目「日建学院通学」約45万円-8万円=37万円
・製図対策2年目「TAC通信」16万円+「建築資格研究会」約2万円=18万円


合計約83万円…そして今の会社じゃペイするまでに14年かかるという事実!その頃には資格手当ももらえなくなるかもしれない。

そんな不幸が他の人に起きないように、そして自分の努力の備忘録として、ここに記録と記憶の限り情報を残そうと考えた。

合格した諸先輩方が、受験生を気をかけてくれる気持ちがいまわかり始める。

自分も勉強の仕方や気持ちの持ちようについて、他の人のブログを参考にさせて頂いていたので、このブログも来年以降の方々の一助になったら嬉しい。